第6回つくば3Eフォーラム会議
第6回つくば3Eフォーラム会議が開催されました!
2012年12月3日(月)、4日(火)、つくば国際会議場において、「第6回つくば3Eフォーラム会議」が開催されました。第6回目となる今回は、「環境都市を実現するための地域における課題と連携」をテーマとし、地域全体でエコシティ構築に取り組んでいる先進事例、および、課題解決の鍵と未来への展望を共有していくことをテーマに開催され、2日間で約200名に参加いただきました。
1日目は、「つくば3Eフォーラム」を支える4つのタスクフォース、「バイオマス」、「都市構造・交通」、「太陽エネルギー」、そして「エネルギーシステム・評価」の各活動の報告がなされました。4つのタスクフォース座長からの報告後、井上勲議長による総括として、タスクフォースからの提案がつくば市の取り組みに活かされることの期待が述べられました。また、多くの参加者から質疑やコメントが活発に寄せられ、充実した会となりました。
つくば国際会議場
1日目の会場の様子
タスクフォース活動報告
2日目は、つくば3Eフォーラム議長、筑波研究学園都市交流協議会会長、つくば市長、筑波大学長の挨拶から開始されました。
基調講演は、(独)国立環境研究所環境都市システム研究プログラム研究総括の藤田壮氏により「環境都市を通じた地域イノベーションにむけて」と題して行われました。政府が環境モデル都市および環境未来都市事業を開始した経緯と、その結果、各自治体の環境都市に対する関心と行動力が高まったことが紹介されました。環境モデル都市、環境未来都市は、低炭素社会づくりのフロントランナーになると共に、総合的なイノベーションシステムとして、国内外に発信されることが期待されており、現在、環境モデル都市に申請しているつくば市へもエールが送られました。
井上議長の挨拶
藤田氏による基調講演
セッション1では、「地域の特性を活かした環境都市づくり」と題し、つくば市、富山市、北九州市、飯田市から取り組みの紹介がなされました。まず、つくば市から、内閣府が追加募集している環境モデル都市事業に対するつくば市の応募コンセプトである「つくば環境スタイル“SMILE”」の紹介がされました。続く3つの都市からは、少子高齢化や公害,交通の老朽化など、地域の問題に対する解決策を考える過程をきっかけに地域の強みや資源を活かした街づくりが行われてきたこと、また、それが結果的に持続可能なまちとして環境都市を構築することにつながった経緯が紹介され、それぞれの都市毎の事情や努力を伺い知ることができました。
つくば市
富山市
北九州市
飯田市
セッション2では、つくば3Eフォーラムエネルギーシステム・評価タスクフォース内山洋司座長により、「地域『3E』モデルによる低炭素地域社会の展望」と題した講演が行われました。政策評価モデルの必要性や、具体例として、太陽光発電やバイオマスエネルギーなどを茨城県やつくば市に導入した場合の評価や地域経済影響評価が紹介されました。
セッション3では、これからの社会を担っていく学生は「環境都市構築の主人公!」として、3Eをテーマに学生・市民が研究者や専門家と交流を図る場を提供する筑波大学の学生団体「3Ecafeプロジェクトチーム」、国内外の環境都市構築の場で活躍する人材を育成する教育プログラム「筑波大学環境ディプロマティックリーダー育成拠点」の活動紹介がありました。
2日目最後のパネルディスカッションでは、(独)国立環境研究所社会環境システム研究センター 持続可能社会システム研究室の藤野純一氏を座長に、環境都市構築における地域における課題やその解決の鍵は何かについて、資金調達の苦労や多世代交流についてなど、多様な話題を織り交ぜながら活発な意見交換がなされました。
会場となった中ホール前のホワイエでは、18団体のポスター等が掲示され、休憩時間には、出展者によりそれぞれの活動の紹介がなされました。
3Ecafe学生の活動紹介
パネルディスカッションの様子
ポスター発表の様子
また、本会議に先立ち12月2日(日)にプレイベントとして、「再生可能エネルギー最先端研究施設見学」と題し、藻類・エネルギーシステム研究拠点(筑波大学)、メガソーラー施設((独)産業技術総合研究所)などの見学を通じ専門家から説明を受けるサイエンスツアーを実施しました。初めての試みにも関わらず、県内外から26名の一般市民の方に参加いただきました。ツアーの最後には、セグウェイの試乗会もあり、「実験する街:つくば」を体験していただいた1日でした。
藻類エネルギーの説明
(筑波大)
太陽光発電施設の説明
(産総研)
つくば3Eフォーラムは、今後も研究開発の立場から、環境・エネルギー問題の解決策を提示・提案するとともに、市民や若い世代に向けた発信にも力を入れ、低炭素社会構築に貢献していきたいと存じます。
プログラム・資料
日 程 | 2012年12月3日(月)13:45~16:30/4日(火)9:30~16:10 |
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場 所 | つくば国際会議場 |
参加費 | 無料 |
主 催 | つくば3Eフォーラム委員会(筑波研究学園都市交流協議会), 筑波大学 |
共 催 | つくば市, 内閣府 |
協 賛 | 茨城県科学技術振興財団 つくばサイエンスツアーオフィス |
後 援 | 国立環境研究所, 物質・材料研究機構, 産業技術総合研究所, 農業・食品産業技術総合研究機構, 茨城県, 文部科学省, 経済産業省, 環境省, 農林水産省, 国土交通省 |
資 料 | プログラム冊子(当日配布資料) 報告書(67MB) |
12月3日(月)
13:45-16:30 司会 : |
挨拶 | 井上 勲 つくば3Eフォーラム議長 |
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バイオマス 柚山 義人 ((独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所) |
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都市構造・交通システム 鈴木 勉 (筑波大学) |
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太陽エネルギー 松原 浩司 ((独)産業技術総合研究所太陽光発電研究センター) |
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エネルギーシステム・評価 内山 洋司 (筑波大学) |
12月4日(火)
9:30-10:00 司会 : |
挨拶 | 井上 勲 つくば3Eフォーラム議長 上総 周平 筑波研究学園都市交流協議会議長 市原 健一 つくば市長 山田 信博 筑波大学長 |
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10:00-10:30 基調講演 |
環境都市を通じた地域イノベーションにむけて 藤田 壮((独)国立環境研究所) |
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10:30-12:15 セッション1 |
各都市の取り組み紹介:つくば市 松本 玲子 (つくば市環境生活部環境都市推進課) |
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各都市の取り組み紹介:富山市 中村 圭勇 (富山市環境部環境政策課環境未来都市推進係) |
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各都市の取り組み紹介:北九州市 柴田 卓典 (北九州市環境局環境未来都市推進室環境都市調整担当部) |
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12:15-13:35 ポスターセッション & 展示 (昼休憩) |
発表タイトル一覧 要旨 | |
13:35-14:05 セッション1 |
各都市の取り組み紹介:飯田市 田中 克己 (飯田市水道環境部地球温暖化対策課) |
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14:05-14:35 セッション2 |
地域「3E」モデルによる低炭素地域社会の展望 内山 洋司 (エネルギーシステム・評価 タスクフォース座長;筑波大学) |
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14:35-14:55 セッション3 |
学生の取り組み紹介1 齊藤 啓太 (3Ecafeプロジェクトチーム;筑波大学理工学群科学類3年) |
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学生の取り組み紹介2 若杉 なおみ (環境ディプロマティックリーダー育成拠点;筑波大学) |
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15:10-16:10 座長・モデレーター: |
井上 勲 (つくば3Eフォーラム議長) 内山 洋司 (エネルギーシステム・評価タスクフォース座長) 柴田 卓典 (北九州市環境局環境未来都市推進室環境都市調整担当部) 田中 克己 (飯田市水道環境部地球温暖化対策課) 中村 圭勇 (富山市環境部環境政策課環境未来都市推進係) 松本 玲子 (つくば市環境生活部環境都市推進課) 渡邉 信 (つくば3Eフォーラム事務局長) 嶋村 江莉奈 (3Ecafeプロジェクトチーム;筑波大学生命環境学群生物資源学類3年) |
ポスター発表一覧
つくば市、飯田市、北九州市、富山市の取り組みに関するポスターを含め、以下18団体のポスター展示がありました。つくば3Eフォーラムの取り組み紹介や「つくば環境スタイルサポーターズ」ブースも設置されました。
ポスターの概要は、プログラム冊子、またはこちら要旨をご覧ください。
発表者・発表団体 | タイトル |
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飯田市 | 環境モデル都市 飯田市の紹介 |
北九州市 | 【国際戦略総合特区】グリーンアジア国際戦略総合特区の紹介 |
富山市 | コンパクトシティ戦略による富山市型都市経営の構築 |
つくば市 | つくば環境スタイル行動計画の紹介 |
筑波研究学園都市交流協議会 | 市内大学・研究機関等における節電 |
(独)産業技術総合研究所 | 太陽光発電工学研究センターの取り組み |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 | 草本資源作物によるバイオマス原料の安定供給 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 | バイオマスの収集と固形燃料化 |
(独)物質・材料研究機構 | NanoGREEN/WPI - MANA棟 |
(独)国立環境研究所 社会環境システム研究センター 松橋啓介 |
土地利用と交通の総合的計画による低炭素都市づくり |
(独)産業技術総合研究所 先進パワーエレクトロニクス研究センター 山口浩 |
エネルギーの高効率利用を支えるパワーエレクトロニクス |
(独)産業技術総合研究所 計測フロンティア研究部門 鈴木良一 他 |
軽量・小型個人線量計及びその大量校正システムの開発 |
国土技術政策総合研究所 環境研究部河川環境研究室 中村圭吾 |
東日本大震災津波による河川汽水域への影響 - 北上川河口ヨシ原を例として - |
筑波大学大学院システム情報工学研究科リスク工学専攻 水本佑樹 |
産業関連表を用いた茨城県における太陽光発電システム導入の3E分析 |
筑波大学 3Ecafeプロジェクトチーム | 3Ecafeプロジェクトチームの活動紹介 |
名古屋大学(非常勤)内山弘美 | つくば学際環境教育セミナー(TIEES)の7年の軌跡 - 大学の環境教育・防災教育の試み - |
エコ・カレッジ23 | エコ・カレッジ23の活動紹介 |
筑波大学 エコシティ推進グループ | 筑波大学エコシティ推進グループの活動紹介 |