第3回つくば3Eフォーラム会議
第3回 つくば3Eフォーラム会議が開催される!
2009年8月8日、第3回となるつくば3Eフォーラム会議が茨城県つくば市のつくば国際会議場において、約330名の参加者を得て盛大に開催されました。今回の会議では、2009年6月にパブリックコメントの受付を完了した『つくば環境スタイル行動計画』について多くの市民の方々と意見交換を行うとともに、つくば研究学園都市ならではの最先端技術として期待される藻類燃料の発展性と国際的な動向に関する招待講演がなされました。
冒頭、井上 勲 フォーラム議長から本会議の趣旨説明があり、主催者を代表して堀江 武 筑波研究学園都市交流協議会 会長 (農業・食品産業技術総合研究機構 理事長)から参加者へ歓迎の言葉が述べられました。第1回フォーラム会議から毎回参加となる市原健一 つくば市長からは、つくば環境スタイル行動計画への積極的な参加が呼びかけられ、田中 敏 筑波大学副学長からは同日に行われた茨城県代表校の甲子園での熱戦に負けない熱い議論への期待が述べられました。
午前中のセッションではまず、本位田 市長公室長と松本 環境都市推進室長から、つくば環境スタイル行動計画の概要説明がなされました。この計画が、大学・研究機関・市民団体・企業・行政の各セクターの代表者34名からなるつくば市環境都市推進委員会で提唱されたのち、環境教育・交通体系・田園空間・実験タウンの4つの柱に対応した各分科会において検討・策定されたこと、またつくば地域を既存技術の統合利用や革新的技術の実証フィールドとしながらモニタリング・評価・見直しが行われる予定であることなどが紹介されました。
引き続いて、各セクターから8名のパネラーを迎えてパネルディスカッションが行われました。バイオマスエネルギーや太陽光利用の重要性、自転車利用者を増やす街づくりや市民の声を聞き入れる体制づくりの必要性、省エネ診断などでの企業による貢献の可能性、人材育成や国際貢献における意義、地域資源でもある学生のパワーの活用など、多彩な意見が述べられました。会場の参加者からは、特に身近な話題である交通体系に関する質問や提案が相次いだほか、つくば地域ならではの先端技術の明確化が必要との意見が出されました。また研究者からも、技術開発による排出量取引の様な仕組みに頼るのではなく、つくば地域での実質的な炭素排出量削減に貢献すべきとの意見も出されました。これらの議論を通じて、何か一つの特効薬で問題が解決されるというものではなく、多様な取り組みをPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルの中に取り込み、その過程で市民が積極的に参画して行くことが大切であるとの共通認識が得られました。
昼食の時間を利用したポスターセッションは、サンドウィッチなどの軽食が提供され、和やかな雰囲気の中で行われました。様々な団体・事業所の活動事例の紹介や省エネ・太陽光利用器具の実演展示など18件のポスター発表に、訪れた参加者も興味深く聞きいっていました。3回目となる今回は特に、萌芽的な提案から具体的な活動へと着実な歩みが感じられたのも印象的です。
午後からのセッションは東京で開催された国際藻類学会のサテライトシンポジウムとしても位置づけられ、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(JST/CREST)によって海外から招聘された6名の研究者による講演が行われるとともに、我が国の藻類燃料研究の現状が紹介されました。オランダ・アメリカ・オーストラリア・韓国といった国々での先行的な取り組みにおける諸課題や我が国との相違が浮き彫りにされるとともに、つくばの土地条件を考慮した藻類燃料生産方法などについて議論が交わされました。
記録・資料
日 程 | 2009年8月8日 (土) 10:00~18:00 |
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場 所 | つくば国際会議場 (中ホール) |
参加費 | 無料 |
主 催 | つくば3Eフォーラム委員会(筑波研究学園都市交流協議会), 筑波大学, つくば市, 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(JST/CREST) |
後 援 | 産業技術総合研究所, 国立環境研究所, 物質・材料研究機構, 農業・食品産業技術総合研究機構, 茨城県 |
資 料 | 広報用チラシ:日本語 英語 報告書(35MB) |
プログラム
10:00-10:30 司会 : |
開会挨拶 |
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10:30-11:00 | 『つくば環境スタイル』概要説明 コンビーナー: 本位田 市長公室長 ・ 松本 環境都市推進室長 (つくば市) |
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11:00-12:00 司会: |
パネリスト |
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12:00-13:30 | ポスターセッション & 展示 | |
13:30-18:00 | 国際シンポジウム『藻類燃料の開発に関する最新の国際動向を探る』 (使用言語: 英語, 同時通訳有り) コンビーナー: 井上 勲 教授・渡邉 信 教授 (筑波大学) |
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13:30-14:00 Rene Wijffels 教授 |
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14:00-14:30 Bryan Willson 教授 |
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14:30-15:00 彼谷邦光 教授 |
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15:00-15:20 コーヒーブレイク | ||
15:20-15:50 Susan Blackburn 博士 |
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15:50-16:20 Ji-Won Yang 教授 |
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16:20-16:50 Joyce C Yang 博士 |
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16:50-17:40 座長:渡邉 信 教授 日本 筑波大学 |
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18:00-20:00【懇親会】 | 会場:つくば国際会議場4F「405」 |
ポスター発表一覧
発表者 | 所属機関 | ポスタータイトル |
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つくば市 | つくば環境スタイル | |
土浦市 | STOP!地球温暖化 | |
熊谷 現 | 3E cafe プロジェクトチーム | 3Ecafe プロジェクトチーム 活動報告 |
内山 弘美 | 産総研・三重大学生物資源学研究科 | 大学の環境教育のネットワーク構築の試み2-筑波学際環境教育セミナー 「我が学問と環境教育」(TIEES)- 3Eフォーラム設立後の動向 |
植木 岳雪 | 産総研地質調査情報センター | ジオネットワークつくば |
柚山 義人 | 農研機構 | バイオマス利活用の実証研究 |
藤枝 隆 | 筑波大学大学院 | バイオエタノール生産のためのモミの全粒糖化発酵法の最適化 |
酒井 康至 | (独)都市再生機構茨城地域支社ニュータウン業務部 | URの環境配慮まちづくりの取り組み |
宮澤 伸一 | つくばエコライフフレンズ | 廃食油そのままキャンドル |
稲葉 淑江 | 特定非営利活動法人NPOプラザ・ねこねっと | ひまわりのまちつくばプロジェクト |
藤田 哲史 | つくばバイオマスもみがら研究会 | 水田土壌のカドミウム汚染対策・・・水田土壌活性材「土の生命(いのち))」 |
菊地 淳 | 理化学研究所植物科学研究センター | 環境メタボノミクスの技術開発 Methodology development of chemical phenotyping |
島崎 高嘉 | 筑波大学遺伝子実験センター | 植栽不能地の利用を目指した耐塩性遺伝子組換え植物の開発 |
島田 敏 | 島田設備株式会社 | 低炭素な技術開発の探検地図 |
島田 敏 | 筑西市明野商工会エコの木プロジェクト部会 | エコの木プロジェクト |
熊田 雅之 | GOODLIGHTING株式会社 | 高効率LED照明 |
奥田 達矢 | 環境エネルギー計画 | ロケット開発で培われた最先端の断熱技術を、暮らしの中へ。 |
山野辺 浩平 | (株)のあ設計事務所 | 地中熱利用を知ってますか |